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冨安 隆徳
愛知県豊川市在住。ルアーで四季折々の魚を求め釣り歩く、アウトドアが大好きなサラリーマン。
主なターゲットは、九頭龍川の桜鱒、天竜川水系遠山川のアマゴ・イワナ等。
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■ 減水の九頭龍川
連休までの高めの水位も、5月中旬からの水色の回復とともに低くなってきた。魚が大きく動くほどの増水もなく、流れが弱まり生命感の薄れた九頭龍川となった。
釣り師は上流部の流れのあるポイントに集中し、低い水位とクリアな水色により魚はより神経質になっているはず。朝夕は深場に隣接した開きなどのシャローを、日中は流れのあるポイントを時間差で攻めながら、ランガンする戦略で1日目の平日を攻めることにした。
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■ 5月25日 上流部を攻める
5月の日の出は4時半と早い。有望ポイントはこの時刻から行動しなければ確保は難しい。サラリーマンの遠征組には大変厳しいスケジュール。結果6時からポイントの空きを待って、機屋、幼稚園、堰堤下流など上流部を攻めたが、何の反応も得られなかった。昼過ぎは雨も降ってきたため夕まずめの数時間で初日を早あがりすることに。
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■ 5月26日 中下流部を攻める
5時過ぎから中下流部の流れのあるポイントを攻める。上流部に集中することを見越しての行動だが、禁漁間際に下流で何度となく桜鱒を獲っている経験から、プレッシャーを避けたプランを立てた。まずは中角橋中州に入る。早朝は浅く流れのない所に定位していることがあり、下流部からの最初の瀬に隣接したこの緩流帯に潜んでいないだろうか?流れに勢いはないものの、橋脚下の沈みテトラやかけあがりにチェリーブラッドの90MDを流していく。最初はナチュラルドリフト。次はアクションを加え100m程釣り下がったが反応がない。この時期粘っても次の群れが差してくることは考えにくいため、早めに見切ることにした。
つぎにJR下流の仁愛短大前。時刻は7時。日は高く上り、水温の上昇とともにやる気のあるトラウト達が瀬に入る時刻。流れに強いチェリーブラッド90MDSやハンドメイドミノーを中心に瀬を流していく。ロッドはインターボロンIBXX−77MSD。リアクションバイトで誘う際の操作性を重視した時に多用するロッド。流れのなかにルアーを送り込み、魚からの反応を確認しながらのゲームはエキサイティングで、水しぶきを上げてアタックするこの釣りは一度味わうとなかなか止められない。
このポイントはJRからの流れが小規模の小さな瀬を経由しながら左岸に向かって流れ、仁愛短大前のテトラ帯に落ち込んでいく。この落ち込みに身を潜めていた桜鱒が朝まずめや何かのタイミングでこの瀬やJR下流の開きに入った時がチャンスで、今日はどうだろうか?最初の瀬の落ち込みは反応がなく、ルアーをハンドメイドミノーに替える。
対岸の先行者と適度な距離をとりながら、流れの中を攻めはじめた。瀬頭に立ち、上流から扇条にキャストする距離を徐々に長くとりながら流れを切っていく。流れの芯に入ると激しく暴れるルアーをコントロールしながら送り込むと、ガツンとルアーをひたくりローリングしながら白銀の魚体が下流に走る。ドラクは緩く設定してあるので少し出たものの、すぐに止まりその引きからあまり大きくないことがわかった。流れが早いので慎重に河原に誘導しランディング。あどけなさが残るが綺麗な魚体。鰭は黒いが精悍な面構えではない。30cmは超えているが喜べるサイズではない。五月鱒の便りが届くころ、このような小型の桜鱒も一緒に遡上してくることが多いが、1年早く遡上してしまったのだろうか?すぐに写真を数枚撮り優しくリリースすると元気に上流に遡っていった。
今日は魚の活性は悪くないと判断し、中下流域の瀬を選んで攻め上がることに。
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■ 8号線上流中州
流れを求め数カ所叩いたが反応がなく、昼食後8号線周辺の瀬に入る。浅くなった瀬肩を徒渉し中州に渡り、左岸に落ち込む早い瀬を攻めていく。ここは激流で、普段は攻めないのだが今日の水位なら攻められる。魚のサイズも考え、早瀬はチェリーブラッド70LL,ハンドメイド8〜9cmのナチュラル系を中心に、流れが落ち着き、水深がある場所はチェリーブラッド82MD、75MDで攻めていく。最初はサーフェスを70LLで様子を伺い、二度目はハンドメイドミノーで水を掴ませながら水面直下の反応を見ていく。
やはり流れのある場所の魚は活性が高く、すぐに反応があった。ひったくるような当たりまではよかったが、走る魚体に力強さが感じられない。「ヤマメか?」ゆっくりと流れを切り、岸に寄せると体にグレ−の小さな斑点のある30cm弱のヤマメ。数枚の写真を撮り、すぐにリリースすると元気に流れの中に消えて行った。サイズはともかく、この素晴らしいロケーションでトラウトゲームを楽しめることの幸せをかみしめながらも、「これが桜鱒だったら。」とつぶやいていた。
続いて数歩下流に下り、再び流芯を横切らせると水しぶきとともに再び魚がアタックしてきた。フッキングできなかったが、白い魚体ではなかったことから別の魚の可能性もある。水面での反応に興奮度はますます高まり、次は何が飛び出すのかワクワクさせられる。引き続き岸際の緩い流れにルアーを落とし、流れに同調させティップでヒラを打たせながら流芯を通過させ誘うと、また水しぶきとともに今度は白い魚体がルアーを襲い、コンコンと激しく水面で暴れながら下流に下る。魚と繋がっていたのは数秒間であっただろうか?残念ながら「ふっと。」何も無かったようにフックが外れ、魚は流れの中に消えていった。フッキング後の暴れ方や引きから40cm弱の五月鱒だったと思われる。五月鱒は激しいファイトでバラシが多いのだが、ランディングできなかったのは非常に残念であった。
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■ 最後にドラマが?
楽しかった早瀬を流し切り、左岸のテトラ帯、通称「土管」を攻めていく。このポイントはテトラ際の深みを通って早瀬の左岸寄りを上流に遡上しているだろう。遡上途上の魚が足を止めるとすれば左岸寄りの分流とのかけあがりの辺りだろう。ポイントごとに推理をしながら絞り込み、導きだされた推理を消し込みながらターゲットを捜し当てる。これがこの釣りの醍醐味。
テトラ際に絞り込み、ハンドメイドミノーを遠投。岸ギリギリに着水したミノーは、水中の藻に引っ掛かったようで、ロッドを煽りながら外した瞬間、先ほどとは違った生命反応が。「やっぱりいたか。」と自分の推理に満足しながら、やりとりを始める。魚はローリングしないものの、イヤイヤしながら首を振り下流に走り始めた。ニゴイやウグイではないようだ。「やった?」この時点で小型のサクラマスと確信し、慎重に魚を寄せにかかる。
魚は手前の浅い瀬をいやがり、横に走り始めた。いやがる魚を手前に寄せ、岸にランディングしようとした瞬間、黄ばんだ魚体に言葉を失った。稚鮎を腹一杯食って、体高のあるコンディションのいいシーバスだったのだ。ドラマは起きなかった。この魚を最後に2012年の私の九頭龍川の桜鱒は終わってしまった。
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■ 2012年をふりかえって
記録的な釣果の2010年、それに次ぐ2011年に続き、今年は適度に釣果のあった年であったと思われる。これは福井県等による放流事業の成果だと考えられており、今後もこの放流の継続を願わずにはいられない。
4月には放流に関してうれしいニュースもあった。数年前に解散したサクラマスアンリミテッドが再び活動を開始したのだ。「釣り人のマナーの向上と放流事業継続」がその目的だと聞いている。4月29日には新生アンリミテッドのミーティングが催され、熱い想いをもった桜鱒釣り師が、マナー向上のための意見交換や放流資金確保のオークションに多数集った。この川の桜鱒がいい方向に向かうことを期待しており、すばらしいこの釣りがいつまでもできるよう私もその行方を見守りながらできる限り協力していきたい。
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● マイタックル
◇ロッド スミス インターボロン IBXX−77MSD
◇リール シマノ ステラ 4000
◇ルアー スミス チェリーブラッド MD90S MD90 MD82 ハンドメイド80 90
◇ライン ヨツアミ PE G-soul WX8 1号
◇リーダー リーダー サンヨーナイロン アプロードFX 20LB
◇ネット スミス チェリーネット
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