池谷 成就

ルアーでのキャスティング、レイクトローリングを中心としたビッグトラウト狙いのエキスパート。 「かわせみ倶楽部」主宰。


《 解禁一週間後の長野県湯川 》


 残雪残る長野県軽井沢町を流れる湯川。群馬県の渓流魚解禁日3月1日より2週間ほど早く解禁するため、渓流ルアーフィッシングはここ数年この渓流から始まっている。


 今年は仕事の都合で解禁日から一週間ほど遅れてのお初釣行となってしまい、若干の雪代(ゆきしろ)の混じった低水温5℃気温1℃と寒い中、さんざん叩かれてからのすれっからしイワナとの対戦はけっして楽な釣りではなかった。

 アタリさえ無いポイントをさまよい歩き、シビアで小さなアタリのあるポイントでは粘り過ぎて時間ばかりがどんどんと過ぎてゆく。とりあえずは得意なバック&フォース(主にサスペンドやフローティングミノーをダウンストリームキャスト後、リトリーブさせたり止めたりロッド一本部分戻してみたりするメソッド。シンキングミノーではリフト&フォールとなる。)も9月の禁漁期入りから約半年、やれリトリーブが早すぎるのか、流れのタナが合っていないのか、釣れない時はネガティブに考えてしまう。

 それも飽きるほどいろいろなメソットを駆使しルアーを取っ替へ引っ換えしていると、最近はこのポイントには魚が居ないのだとすぐにあきらめもつくようになった。





 車での移動も五ヶ所目。午後からの入渓だったのでそろそろ陽も西に傾きかける頃だった。俗に夕まづめ時といわれる魚釣りには絶好の時間帯も、解禁当初の低水温低気温下ではいまいちぱっとしない。焦りもあるがそこは大人になりきる。平常心を装いキャストを繰り返し最も自信の有るバック&フォースメソットに賭ける。

 しかし寒さにそろそろ最後の一投かなと感じた時だった。葦高くまた水中に張り出し密生し、餌釣り(脈釣り)の目印がやたら引っ掛かっているこの場所が本日最後のキャストと、淵尻めがけてダウンストリームキャスト。ジェイドMDSPをゆっくりとリトリーブ。両岸に葦の茎が覆うやや流れの緩まったところでリーリングを止めルアーのリップが水流を受けブルブルとロッドにその動きの正常さを伝えてくる。

 イワナは水深のある場所では決して底に居るのでは無く、岸側の障害物に付くことが多い。そんな一本流れだがこの渓流にしてはまあまあの水深があり、身を隠す葦が大量に密生するポイントで一あおり二あおりルアーにアクションを加えたところでヒット。やっと釣れたのはイワナ。


 釣れれば一瞬にして元気付く。先ほどまで夕まづめは寒い寒いと愚痴っていた言葉も、ころっと変わってしまう。そう言えば明治の文豪幸田露伴も「河魚は朝まずみ夕まずみにおいて著しく活発になる。」って書いているのだからと調子付く。

 型は小ぶりながら一尾釣れれば二尾三尾と絶好調とはいかなかったものの、今シーズンのお初イワナに逢えた。

 帰路は星野か塩壷かはたまた千ケ滝温泉か最後はポジティブに悩む釣行だった。





● データ

佐久漁協 日釣り券\1,260(中軽井沢食堂玉川)


● 使用タックル

ロッド インターボロンXベイトキャスティングモデルTRBX-C57
リール アルファス103L TYPE-F(IOS02・Avail)
ライン FAMELLアディクトフロロ3lb
ルアー ジェイドMDSP・D-コンタクト・ウッドベイト池谷モデル。



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