吉川 康之

埼玉県川越市在住の平凡なサラリーマン。

エリアおよび湖のスプーニングによるトラウトフィッシングをこよなく愛する。



《 5月(皐月)の中禅寺湖  〜2009.5月上旬〜 》


私 : なんか去年の釣りで、掴んじゃった気がするんすよねぇ! (*^。^*)
先輩フライマン : あれっ!? 去年も同じようなこと言ってなかったっけ? (-。-)y-゜゜゜
私 : いや、ほんとに今年はいけると思うんっすよ!! いきなり爆釣だったらどうします? (*^。^*)
先輩フライマン : そんな心配しなくても大丈夫! どうせ釣れないから!! (-。-)y-゜゜゜

 っと、今年もこんなお決まりの会話が連日繰り返される中、2009年 中禅寺湖のハイシーズンがやって来ました。今年は昨年の悪夢の再来とならない事を祈るばかりです。


5月上旬(GW期間中)  山側(某所)

 AM2:15 予定通りに大島商店に到着、さっそく入漁券を購入するのと同時に釣りの近況について聞いてみます。ご主人によると、国道側でホンマスが釣れ始め、中には一人で10匹近く釣ったフライマンも居たということ!
 “おお〜っ!!” この情報に心が一瞬揺らぎましたが、あとで後悔しないよう、当初の予定通りに山側へ向かう事にしました。

 そしてAM3:00、歌が浜駐車場を出発、これから遊歩道のある森の中を徒歩でポイントを目指します。木々の若葉が芽吹き始めたばかりのこの時期、森の中はとても見通しがよく、月明かりも手伝ってより明るく歩きやすいものでした。

 そして歩くこと凡そ1時間、ようやくポイントに到着。いい汗かきました。さっそく高台から辺りを見渡します。
 ”おっ、めずらしい!!”ここは例年ならすでに1〜2組の先行者が居てもおかしくはない人気ポイントの筈なのですが、先行者はまだ誰もいません。歌が浜駐車場でも感じた事なのですが、今年は昨年に比べ岸釣りアングラーの数が少ないのかもしれません。

 辺りはもうすでに白みはじめています。急いで着替えを済ませ、タックルの準備に取り掛かりました。

月明かりが森の中を照らします



朝からいい感じに湖面が波立ちます
 朝一の表層水温は4.0℃、こんな低水温では間違いなく何も起こらないでしょうが、とりあえずミノーで表層レンジを探ってみることにします。
 およそ20分後、魚っ気はまったく感じられないためミノー終了、メインタックルであるスプーンに切り替えます。選んだルアーはヘブン(16g)。肉厚で細身のボディは飛距離をかせげ、深場を丹念に探るのにはもってこいのルアーです。昨シーズンの記憶を辿りながらポイントを順々に探って行きました。

 “あっ、また釣れてる!” 私の目の前をひっきりなしに行き来を繰り返すヒメトロ船では、朝から好釣果が続いています。
 私の今いる立ち位置から,もっとも近いボートまでの距離はせいぜい50メートルといったところ。ここからもじゅうぶん射程圏内といった距離です。なのにこの違いはなんでしょう?

 狙っている魚種はもちろん、狙い方も違うのだから当然といってしまえばそれまでなのですが(私が狙うは大型の銀毛ブラウン!)、私とのあまりの釣果の違いに、毎回 思い悩まされてしまう光景です。

 丸一日、ルアーを投げ倒しても魚のキャッチはおろか、たった一度のバイトすら得られないなんて事も決して珍しい事ではないこの湖で、 ”ほんとに魚がいるのかよ” なんて愚痴をこぼしてしまった事は1度や2度では済みません。このように私にとってはお世辞にも魚っ気が多いとは言えないこの湖ですが、目の前であの好釣果を見せ付けられてしまうと、この考えはきっと間違えなんだなと、強く感じずにはいられません。

 もし、水の中を透視して見ることが出来たなら、そのあまりもの魚影の濃さに、きっと愕然とするのではないだろうか。ついそんな事を考えてしまいます。”自分になかなか釣れないのは釣り方が間違っているだけのこと!” 自身が釣りに対して、さらに魚に対して抱いている『思い込み』や『先入観』をどうにかしない限り、新たな(良い)展開は訪れないなと、今年もまた考えさせられるシーズン幕開けなのでした。


 そんなことを考えながら、何気にふと足元に目をやると “おっ、わかさぎ!?”30匹前後の小さな群れですが、あぶらびれも付いた紛れもないわかさぎです。昨年はこの時期一匹も目にする事の出来なかったわかさぎですが、前回釣行(2週間前)に続き、これで今年2度目の目撃です。

 ここ最近続いている晴天による水温上昇、そしてこの産卵をひかえたわかさぎの接岸、腹を空かせたブラウンが接岸してこない理由がありません。
 “よーっし!!” わかさぎを目にする事が出来ただけで、期待感は50%アップ、そしてルアーの飛距離は10%アップです。

 それでは仕切りなおし、気分を切り替え いざ2回戦スタートです!!”時刻はAM7:00、釣り開始から3時間が経過していました。

おっ、わかさぎ だ!

 この時期、私がもっぱら狙うのは回遊コースとなるであろうブレイク先のカケアガリです。ここをより長い時間ルアーをトレース出来るようにとやや斜めに向かってルアーをキャスト、いったん底をとったあとはリトリーブ、リフト&フォール、ジャーク、或いはこれらの組み合わせなど、 使用するルアーの特性に合った選択を心掛けるようにしています。湖底の障害物を感じ、ラインによるルアーの浮き上がりにも注意を払いながら、ルアーの湖底からの位置や動きをイメージし、ラインの動き そして竿先に全神経を集中、いつやってくるとも知れないアタリに備えます。



この日のファーストフィッシュは子レイク
 “... ... ...!?”
 リフト&フォールでのフォールの最中、送り込まれて行くはずのラインが動きを止めました。倒木か何かに乗り上げたのかも知れませんが、構わずロッドでアワセを試みます。

 “おっ、掛かってる!!” PEライン越しの感触は間違いなく魚です。どうやら、相手は食い上げていた様です。クビ振りの感じからすると、それほど大きくはない様子。この程度ならラインが木にでも巻かれない限り取り込みは楽な筈です。

 “チャンチャンチャ〜ン♪” 気持ちの余裕からなのか 『釣りキチ三平』 が魚を掛けた時に流れる軽快なメロディが頭の中を流れます。
 “チャンチャンチャ〜ン♪” しかし何故か途中から 『西部警察』オープニング?にすり替わってしまいます。再度頭からやり直しても またも 『西部警察』。

 なんてやっているうちに寄ってきたのは、赤茶けた体色のレイクトラウト(51センチ)でした。ランディング直前に大暴れをされ、一瞬ひやっとさせられましたが何とか無事にネットインまで漕ぎ着けました。“幸先いいねぇ!”

  時刻はAM8:00を過ぎたばかり、これから日中にかけて水温はどんどん上昇してゆく筈、湖面はいい感じに波立っており、さらに小規模な群れですが辺りにはまだわかさぎの姿も見ることが出来ます。トラウト達の接岸を促すであろう条件がいくつも揃っています。“次こそはブラウンを頼みますよ!!”


昼前 表層水温は9.0℃ まで上昇していました

前回も水温の上昇する昼前に好機が訪れました


 “... ... ...!?” 今度はスプーンへのバイトです。ファーストヒットから凡そ1時間後の出来事でした。魚とのやり取りを楽しみたい所なのですが、ラインが障害物にでも巻かれたら、私にとっても魚にとっても不幸なこと。相手に主導権を握られない様にと、幾分強引に引き寄せてしまいます。

 “よっしゃー!!”  あがってきたのはまたしてもレイクトラウト、白点鮮やかな 一匹目より一回り大きな個体でした(58センチ)。


“SBLP”カラーでのヒット
私のお気に入りカラーです

誇らしげに鰭を大きくピンと張った
姿はイワナ族ならではのもの


 そして昼過ぎ “っんん!?” その瞬間は何の前触れもなしに突然やってきました。しっかりとしたアワセを入れた後、全神経をラインに集中、針先にいる相手が何者であるのか慎重に品定めをします。 “根掛かり?” 
 いや、僅かですが動きがあります。さらに首振りのものと思われる周期的な力の強弱がロッドに伝わってきます。しかもその周期は小物のそれとは異なり、“グワン グワン!” とかなりゆったりとしたもので、大きな頭が周囲の水を力強く掻き分けている姿が想像されます。“レイク? それとも ブラウン?”そのどちらにしてもかなりの大物の筈です。 針先までは凡そ60m程、これから長いやり取りになりそうです。

 僅かずつですが、ポンピングにより確実に相手を引き寄せます。やり取りは困難を極めました。ちょっとでも気を抜こうものなら、水中深くへと引き戻されてしまいます。
 “○×△☆◇◎▽!?!” 風にのって後方から人の話し声が聞こえてきます。もしかすると私のやり取りを誰か見ているのかも知れません。そんなことはお構いなしに、魚とのやり取りに意識を集中します。“ぜったいに獲ってやる!!”

 どのくらい時間が経ったのでしょうか?未だその姿を見る事は出来ませんが、相手はもう直ぐそこまで来ています!そして残りあと 10m!あと 5m! 4,3,2,1 ダァーッ!!

 ( ̄Д ̄;) ガーン
 謎の相手は、体長およそ1メートル、胴の太さ50mm、そしてその胴からは長さ60cm程の腕がグンと1本伸びており、そのほぼ先端に複雑に絡み合ったペラつきの太いラインと私のスプーンががっちりと絡まっていました。”んもぉ〜 ふざけんなよ〜!!”
 その後、緊張が解けたのか、急に腕と掌がガクガクと震えはじめました。魚を掛けたわけでも、また ばらしたわけでもないのにいったいこの手の震えは何でしょう?この震え、自分の意思ではどうしようもありません。自身の身体の事ながら ほんと情けなくなってしまいます。

 それにしても、この木の名演技っぷりにはやられました。重量感たっぷりの強い引きだけではなく、大物を思わせる首振りまで再現するとは!! 恐らくキャスト(配役)はこんな感じだったのではないでしょうか!
 『強い引き』 木の自重と絡んだライン
 『首振り』 木の自重と枝のしなり!!

 やり取りの後半には、相手の動きが余りにも単調すぎたため、いかに鈍感な私でも、さすがにこれは“魚じゃないかな?”と言う考えが頭を過ぎったのですが、あまりの名演技っぷりに相手の姿を目にするまでは最後のさいごまで望みを捨てることは出来ませんでした。
 “○×△☆◇◎▽!?!” 私の後ろで事の成り行きを見守っていたであろうフライマン2人の話し声が聞こえてきます。”自分は勘違いなどしていない。魚で無い事は始めから分かっていたんだ!!”いまさら何を言ったところで、きっと信じてはもらえないでしょう。”ああ〜っ、恥ずかしすぎる!!!”

 でもこの出来事、もし相手の姿を見ること無くバラしてしまっていたとしたら...!今の私のこの感情とは全く別の感情となっていた筈です!!そう、謎の巨大魚伝説の誕生です!! (☆。☆) キラーン!!


 “ああ〜っ、無駄に疲れた!” まだ手の震えが止まりません。これでは釣りにならないため、ちょっと休憩タイム!おそい朝メシ兼昼メシにする事としました。

 w( ̄Д ̄;)wワオッ!! “『ガボッ!』だって” 食後のコーヒーを堪能しながら辺りの景色を眺めていると、私が先程まで立ち込んでいた場所のすぐ目と鼻の先で突如ボイルが始まりました。 ”真昼間に凄いなぁ!“ 波紋、そして水音から判断するにかなりの大きさであった筈です。
 良く言われる事ですが、(特にハイシーズン)無闇に水中には立ち込まない方がよさそうです。


釣り場でのもうひとつの楽しみ(*^。^*)

こんな真昼間に、岸際で突如ボイルが始まりました


 特に取り上げる程の事では無いですが、私にとってこういった光景を目にする事は、魚を釣り上げたのと同じくらい嬉しい事です。話で聞くのと実際に体験するのとでは大違い。これで私が持つ魚に対する変な『先入観』がまたひとつ無くなりました。 ”今日はほんと良いものを見せてもらいました<(_ _)>“。

 そして夕方...。
 “はぁーっ 疲れた!” 当日はこんな魚っ気むんむんの状況でしたが、結局あの後はなぁ〜にも無しの異常なし!で終了を迎える事となりました。なかなかこちらの思い通りにはならないものですC=(-。-)フゥー

午後は何にも無しの異常なしでした


● 使用タックル

ロッド TRBX−SS83SD (SMITH)
リール CERTATE 2500 (DAIWA)
ライン FIRELINE EXT 1.0号(16lb) LO-VIS GREEN (BERKLEY)
リーダー TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 8lb (MORRIS)
ルアー BUCH SPESIAL JAPAN VERSION 18g (SMITH)
HEAVEN 16g (SMITH)
TROUTIN SURGER 14g (SMITH)
リップレスシンキングミノー 8cm
フック シュアーフック Wトラウト8G、Wトラウトタテアイ6G&7G (SMITH)

ロッド トラウトロッド 7.6ft
リール TWINPOWER 2500 (SHIMANO)
ライン SUPER TROUT Advance 8lb (MORRIS)
ルアー CHERRY BLOOD MD90 (SMITH)



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