鎌津田 智

渓流のルアーフィッシングに傾倒、そのキャスティングテクニックは特筆に値する。

シングルフックの釣りにこだわりを持つアングラー。



- 釣れない病 -


2009/6/21 岩手県沿岸某川

 鮎の放流で、盛期の6月に釣りのできなくなってしまう川は少なくない。河川によっては本・支流とも全面禁漁、なんてところもあるから、川止めうらめしやー、である。

 日曜日の明け方、そぼ降る雨の車中で自作の川止めメモを眺めていると、本日予定の川は本、支流とも全面禁漁(※)だった。何をぼーっとしてたんだか。あわててUターン。海沿いの道を南へ降りる。
 ※鮎放流から解禁まで釣り禁止(俗に川止め)の川があちこちにあるので注意。

 河口から10キロちょいの路程で、落差あるイワナ用の渓相になる小さな渓。岩手沿岸の単独河川にはそういうところがけっこう多いのである。



 先週の雨のおかげで水の色も水量も申し分なし。これで釣れなかったらおかしいでしょ。なんだか今日は、いけそうな気がする(笑)と、水温も計らず安易に釣りを始めてしまう。
 …が、相手は解禁から3ヶ月以上修羅場をくぐり抜けてきた皆様。そう簡単には釣れてくれないわけで。

 立ち位置を二歩ほど岸奥側に引き深呼吸。気合を入れ直し、背中を丸める。窮屈な姿勢のまま、バックハンドでD−CONを落ち込みの向こう側に送る。
 張り出した枝をかわしながら、流芯脇を流れよりわずかに早く引く。様子見なのでトゥイッチは軽め。間は長め。リズムとタナを変えながら、丁寧に2回ほど流すと、流れ出し側の岩陰から走る黒い影が見える。いることはいるんだよね…。


 落ち込みを3つ、4つと釣り上がる。大場所脇の浅瀬からも影は走る。つまり、直近の先行者はなし。しかし、蜘蛛の巣が全く気にならない。追い方もどこか訝しげ。本命の大場所は無反応で、その隣のボサ下からだけ魚が動く。
 ということは…水が良くても楽には釣らせてもらえそうにない雰囲気たっぷり。


 しかし、すれてこそいるけれど、思いのほか瀬尻やヒラキに出ていて、活性は○。ポイント直下の足場に立つのは厳禁。最低1段下、小さな落ち込み相手なら、2段、3段下から狙わないといけない感じ。
 ポイント上には枝が張り出していて、オーバーヘッドキャストはほとんど使えない。こういう場所、好きなんだなー。

 魚は流れ出し脇の石にべったりか、流れ出し側流芯にある底石の頭に付いている。ラインやミノーで浮いている魚の頭を叩いてしまわないように気をつけて。うまいこと魚の目の前を通すことができたら、ピックアップ直前までに、どれだけ滞留時間を稼ぐことができるかが勝負。
 トゥイッチを続けながら、竿先を補正して縦のターンと横のターンを試みる。ほら、出たぁ…バレたっ!魚もルアーも落ち込みの流れの中でもんどりうっている。そりゃバレるって。

 トゥイッチのリズムと食わせの間を長めに調整し、なんとか1本。ほっと一息。


 いったんその日の間合いとかリズムを捉えることができれば、シーズン末期など、よほどのタフコンディションでもない限り、一本目の魚が次の魚を呼んでくれる。

 今日のお魚はあまり激しいリズムを好まないみたい。少し間を長めに取った小さなトゥイッチで、次の魚が出る。よーしよし。いい感じ。今日はイワナの日だよなぁ…と思ったら、ヤマメではないかい。ん?意外といいサイズじゃないの。ラッキー。




 しばらく釣れない病を患っていたけれど、これでやっとレポートが書けそう(笑)。


● 使用タックル

ロッド インターボロンX TRBX−53MTH
リール アブ/カーディナル3 1stバージョン
ライン モーリス/バリバス・スーパートラウト・アドバンスVEP 4ポンド
ルアー D−CONTACT、ルナ47S SH、トラウティンウェイビー50S



[ 戻る ]


(C) Copyright, 2009 SMITH LTD. All rights reserved.