藤井 康雅

シーバス、ロックフィッシュ、ジギング、イカなど四国全域で様々なソルトウォーターゲームを展開。



《 悪いことはできない 》


悪い虫

 今日は早めに仕事が片付いた。家路の途中、おや?何か風が怪しい。珍しく道具は車に積んだまま、昨日は結構時化てたみたい…もしかしたら?と思い自宅まであと5分の交差点を反対方向へハンドルを切る。

 ビンゴ〜!ラッキー!ほぼ無風でゆるやかなウネリがド〜ンと打ち寄せている。こんな時の直感って当たるんだよなぁ。悪い虫が疼くというか無性にというか、今日も勉強と部活に励む息子には申し訳ないがちょっとだけ遊んでもいいよね。日没まで30分もない。ネクタイを外し支度にかかる。


一撃必殺

 タックルはいつものサーフェッサー98にサラナのコンビ。ラインは8ポンド、シモリのキツい場所だが前回サーフを想定したままなので仕方ない。リーダーは25ポンドを2mとってあるから何とかなるだろう。

 先ずは波のピッチを読む。3分に1回いいサラシが広がる。タイミングを合わせてサラシとシモリの沖へキャスト、風がないから狙い通りにサラナが着水、リトリーブに入った途端黒い影がサラナを襲った。「そこで食っちゃダメ〜ッ!」だって、シモリのすぐ沖だから掛かればどんな目に遭わされるかは想像に容易い。ヒラ君を怒らせないようビビり気味に軽くアワセを入れて動きを見る。

 水面でサラナをくわえて頭を振っている。暴走しだす気配はない、こちらから仕掛けてみる。「グイッ」寝かせたサーフェッサーを高く立てテンションをかける、ヒラ君事態に気付いたか頭を沖へ向けた。勝負!捕るか取られるか、お気に入りのサラナを取られてたまるか!必殺されるのは果たしてどちらか?


ズタズタ

 沖へ向かったヒラ君やっぱりシモリへターン、8ポンドラインを守るためロッドを高く掲げてもリーダー部分はシモリに当たっているようでゴリゴリと嫌〜な感触が伝わってくる。こんな時は感度が抜群のロッドだと心臓に悪い、でも今は耐えるしかない、ひたすらジャンプしてくれる事を願う。12ポンドラインならサーフェッサーのトルクで強引にシモリから抜けるのに…何たる失態!

 10秒程我慢したらちょっとブサイクだけどジャンプしてくれた。ブサイクという事は…デカい!80アップだ!体高もかなりある!暴走はしそうにないのでズタズタになったリーダーをかばうように右に左に幾多のシモリをかわしながらゆっくり寄せてハンドランディング、サラナは丸呑みされて喉奥にフッキングしていた、喉がつかえてオエッ〜って状態だったから跳んでる場合じゃなかったんだよね、ごめんごめん、謝りながらダメージを与えないよう細心の注意でフックを外してやる。

 ラインシステムをチェックするとズタズタ!よく切れなかったものだ、耐えたラインと無事生還したサラナに敬礼!欲深く次の1匹を求めシステムを組み直す。



連発

 さあ2投目、ラストチャンスだろう。別のシモリ沖を狙う。やはり沖側で即ヒット!今度は小さい、70前後だ口周りにフッキングしているのでテイルウォークをして暴れ回ってくれる。おかげで難なく強引に寄せてこれた。

 ちょっとスリムだが綺麗な魚体、勘が冴えてるときはこんなもの、わずか30分で2投で2匹、今日はこれでもう充分だ。釣り場での幸福をかみしめ日没とともに終了とした。ただひとつ残念なのはデジカメを持ってなかった事。携帯で撮影したため不鮮明な画質でスミマセン。



凱旋

 家に着くと息子も丁度学校から帰ってきた。仕事姿にサーフェッサーを持った父を見て「あれっ?風ないけど時化てたの?」「少しね…」「ヒラ釣れた?」「70と80、2匹ね」

 息子しばし沈黙、そしてポツリ、「裏切り者、薄情者、一人だけいい思いして…」「!、いや、これはたまたまだなぁ…成り行きで…」「いいよ、俺は学校だから…」

 後のフォローが大変だこりゃ、凱旋どころの話じゃなくなった。埋め合わせ、罪滅ぼしがたいへんだぁ!


● 使用タックル

ロッド ブローショットボロン98サーフェッサー
リール シマノ 3000番
ルアー サラナ95F
ライン ナイロン8ポンド
リーダー フロロ25ポンド



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