『12/12 水郷各所釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF、NBC)



 真冬のバス釣りを好む私にとって、晩秋というのは非常に大きな意味を持つ時期となる。春〜秋とは違い、冬というのはいきあたりばったりで釣れる場所を探すのが困難な時期だからだ。バイトがない=ここにはいないと決め付けるのは早計である。ただでさえバスを釣るのは難しく、バイトがないのは魚がいないのではなく喰うまでに至っていないというケースの方が多いはずだ。

 だからこそ、晩秋はバスの越冬場所を探すのに重要な時期と位置付けている。魚自体は越冬を意識した場所に集結しつつあるものの、口を使わせるのはさほど難しくはないからだ。晩秋は、来るべき冬場のために可能性のある場所を徹底的にチェックし、魚の集結度合や状況を把握しておくべき時期である。そして冬になったら、その結果を元に選んだ場所をじっくり釣ればいい。

 私の場合、これまで自力で探し出してきた冬用の場所がいくつかある。それらの状況は一通り探っておきたいと思っていたのだが、11月は諸事情により釣行回数が激減してしまった。必然的に、それらを足早にチェックしていく事を心掛けての釣行となった。


11月8日 水郷各所


 朝イチはまず利根川でスピナーベイトをキャストする時間を20分だけ設けた。使用したスピナーベイトは現在私が開発を手掛けているもので、そのスイムテストも兼ねていたのだが、これが10月だったら問題なく本命パターンの1つとなり得る。フィーディングしているバスがいれば勝負が早いので、20分あれば見切るのには充分な釣りなのだ。

 しかしこの日はベイトフィッシュの姿もなく、バスからの反応も皆無だった。水の透明度もだいぶ上がっていた。季節が進行したのは明らかで、やはりこの日は晩秋〜冬を意識したプランで行こうと割り切ることが出来た。


 まずは例年、晩秋〜初冬にかけてのメイン場所の1つとなる茨城県某川(1)のテトラ帯(A)にやってきた。ここのテトラはそのほとんどが埋まり気味で隙間はあまりない。テトラのアウトサイドエッジやテトラ間を回遊するタイプのバスが多い場所だ。

 だがこの日、水位が低いのに加え水の色がなんだか澱んでいる。状況としては良くないと思いつつも、釣り始めてすぐに32cmをキャッチした。さらに続けてバイトを得たが、キャッチしたのはキャットフィッシュ。幸先は良いように感じられたものの、それ以上のバイトは得られずじまい。

 続いて同川の別のテトラ帯(B)へ向かったものの、既に満員御礼状態だったので入釣を断念。

幸先良く釣ったまでは良かったが・・・

 この日は行楽日和だったこともあってか茨城県某川(1)は釣り人だらけだったため、プレッシャーを嫌って外浪逆浦のマンメイドストラクチャーをチェック。しかしここでも水位の低さが災いし、魚が入り込んでいる様子が感じられなかった。


 少し水深のあるテトラを攻めた方がベターかもしれないと思い、茨城県某川(2)のテトラ帯をチェック。しかしここも既に大勢のアングラーに叩かれた後の様子でバイトを得ることは出来なかった。

 続いて茨城県某川(1)へと戻り、A、Bとはまた別のテトラ帯(C)をチェックしに向かう。しかしここにも既に大勢のアングラーの姿があり、入釣を断念するしかなかった。

 テトラ帯のような目立つスポットはどうしても他のアングラーとのバッティングが避けられない。そこで、同川内に存在する多数の瓦礫が沈んでいるエリアをじっくりと攻めてみることにした。一見すると単なるコンクリート護岸にしか見えないので、ここを知っている人は極僅かなはずだ。
 但しここは魚の密度が濃いとはいえない。自分の足で釣果を稼ぐ場所と言える。反面、ほとんどやる人がいないのでプレッシャー面は低いというのがメリットだ。しかしこの日は私自身が集中力を持続する事が出来ず、この場所での釣りを途中で断念してしまった。


 夕マヅメのラストチャンスには、この日唯一魚を確認できた同川のテトラ(A)に賭ける事にした。ここは日没間際になると大量のイナの群れが水面をクルーズし始め、それを狙ってフィーディング状態に入るバスがいる。それらの魚は年末頃まで狙えるが、昼間にプレッシャーを掛けられてしまうと可能性は一気に低くなる。この日の昼間は相当なプレッシャーが掛かっていたのは明らかなのであまり期待せずに入る。

 辺りが暗くなり始め、予想通りイナの群れが水面をクルーズし始めたところをジェイドMD/SWのパールホワイトで連続ジャークして誘っていくとドン!と来た。しかし直後に口切れしてしまったようでバラしてしまった。ほどなく周囲は真っ暗になってしまい、この日の釣りを終了。


 この日はいかんせん人的プレッシャー、そして低水位によって本来チェックすべき場所がチェックし切れなかった印象。状況が好転した際に再チェックが必要と感じられた。


11月21日 水郷各所


 前回以降だいぶ間が空いてしまったが、水位を始めとする状況変化を期待していたので悪いことではなかったのかもしれない。

 この日は千葉県某川をチェックしにやってきた。私にとって、冬場のポイントとして欠かせない場所だ。
 厳寒期でもまるっきりのノーバイトというケースは少ないのでこの日も2バイト程度は手堅いものと思い込んでいたが、何と完全ノーバイトで終わってしまった。先行者の姿もなく、先に魚を抜かれた後ということでもなさそうだ。

 実はこの川、今年の春先以降からやたらと透明度が高かった。一時的なものだろうと思っていたのだがそうではなく、水質自体が変わったような気がしている。しかしこれだけ透明度が高いとなると、岸ギリギリで越冬する魚は少なくなるだろう。今回のノーバイトも透明度の高さゆえに魚の越冬場所が変わったからでは?と危惧している。


 続いて、前回も魚を確認している茨城県某川のテトラ帯(A)にやってきた。この日は水位と水の色も回復しており、一目見た瞬間に「これはイケる」と直感できた。
 その予感が的中し、38cm、37cmを連続キャッチする。2尾だけでは結論付けは出来ないもののサイズに関しては私の予想を上回っており、もしこの場所の越冬バスのサイズが上がっているとしたら嬉しい事だ。

 この場所ではまだまだ絞り出せると意気込んだものの、あいにく後続のアングラーがやってきてしまった。この場所で魚を釣る場面を見られたくないので、すぐにその場を後にした。



 この後、同川のテトラ(B)、(C)をチェックしに向かったものの前回同様大勢の釣り人でゴッタ返しており、この日も断念。

 同川の別のテトラ帯(D)も頭に浮かんだのだが、ここ数年はヘラ釣りの人が団体が多く来るようになり、まともに入れた試しがない。きっとここも人だらけなんだろうな、と期待薄でテトラ帯(D)に向かったところ、何と隣接する道路が通行止めになっているではないか!もしかしてと思い、問題のない場所に車を停めてポイントまで延々と歩いていくと、誰もいない!
 ヘラ釣りの人は年配の方が多い上、荷物も多い。付近に車を停められないとなると、そのポイントへは足が遠のいて当然だろう。時間の関係でテトラ帯(D)をじっくり探ることは出来なかったものの、ここは人が多い日の逃げ場所として活用することが出来るだろう。思わぬ収穫だった。


 夕刻は前回同様、テトラ帯(A)でのフィーディングバス狙い。しかし現場に到着して唖然、何と先行者が4人もいる。とはいえ既に他の場所に移動している時間が無いので諦めムードでジェイドMDをキャストしたが、予想通り撃沈した。

 この段階において全ての場所をチェックし切れたわけではないが、茨城県某川(1)と千葉県某川はおおよそ状況が把握できた。しかしまだまだチェックしなければならない場所はいくつもある。次回からはそちらを含めてチェックしに行かねばならない。


11月28日 水郷各所


 この日は茨城県某川(1)の中でも、まだまともにチェック出来ていないテトラ帯(C)のチェックからスタートすることにした。いつも人が多くて入釣出来ないので、この日は朝イチで向かったのだ。ここは数年前には12月に爆釣したエリアだが、ここ数年は沈黙している。とはいえ可能性がないわけではないのでチェックは必要だ。

 しかし、ブルーギルのバイトすら得られない上に続々とヘラ釣りの人達がやってきたので短時間で見切りを付けた。どうやら、隣接道路が通行止めになり入れなくなったテトラ帯(D)に行けなくなった分、ヘラ釣りの人達がテトラ帯(C)に流れてきたようだ。ということは、テトラ帯(C)はこの冬は期待薄かもしれない。

 ちょっと魚を手にしたい気持ちもあり、前回、前々回と魚を手にしている同川のテトラ帯(A)へ。しかしほどなく東風が強くなり波がザブザブと当たるようになってきた。冬のテトラの釣りは風が強く当たってしまうと駄目である。移動。


 続いて千葉県某所へと移動。ここは風の影響を受けにくい場所でもある。しかし人気場所ゆえにどうしても他のアングラーとのバッティングが避けられない。この日も、最もやりたかったA級エリアには既に車がズラリと並んでいた。

 止む無く、人の少ないB級場所をライトリグでじっくりと攻めてみる。結果、何とか小型を2本絞り出した。また小バスのバイトも何度かあり、千葉県某所に関してはほぼ例年並みの状況と判断した。


 ここで一気に新利根川まで大きく移動。秋まで好調だったベジテーションマット撃ちにまだ可能性が残っているかどうかをチェックするためである。ちなみに今年の2月にベジテーションマットで1本キャッチ出来ており、もしかしたら冬場でも可能性があるのでは?と考えている釣りでもある。

 しかし、てっきり枯れ始めていると思っていたミズヒマワリはまだ青々と茂っており、白い花まで咲いている始末。当然、これを撃ち抜くにはある程度のヘビーウェイトシンカーでなくてはならず、まずはテナガホッグのテキサスリグに3/8ozのタングステンバレットシンカーを組んだ。
 すると、グッ!と重くなる直後にワームを離すバイトが2回。シンカーの重さに違和感を感じている時の兆候だ。慌ててシンカーを1/4ozに替えると、続くバイトは一気に走っていくものだった。これはキャッチ成功。


まだ青々としていたミズヒマワリ

ベジテーションマット撃ちがまだ効くとは

 何はともあれ、この時期にもベジテーションマットでバイトが連続した事に驚いた。もしもこの釣り方が厳寒期にも通用するのであれば、それは私にとって非常に大きな意味を持つことになるだろう。


12月5日 利根川


 この日はバスワールドさんの川又プロの利根川取材に同行。自分自身は全く釣りはしていない。

 利根川の本流は、他の水域と比較して季節が半月〜1ヶ月は進んでいると見て間違いない。水が停滞しないので、温まることがないからだ。また風の影響を受けやすい点からしても、この時期の大場所というのは本当に難しい。私だったら、冬の釣りに利根川本流を選択肢に入れることは考えにくい。

 そして結果はやはり厳しいものではあったが、私ほどの先入観がないためか川又プロは比較的アグレッシブな釣りを展開しており、しかもそれでちゃんと魚をヒットさせる場面もあった。テトラ撃ちにおけるアプローチやリズムも私のそれとはだいぶ違いが見られ、自分自身の釣りを客観的に見直すいい機会にもなった。

取材風景


12月12日 水郷各所



アシ、ガマは枯れていたが
フサモはまだ青々としていた
 この日は、昨冬に見出した枯れガマの釣りを検証すべく茨城県某川(3)へとやってきた。しかし狙っていた場所には先行者の姿があったのでひとまず他のエリアを見て周ることにした。前日にまとまった雨が降ったこともあって上流部は濁りが酷く、徐々にその濁りが中流域に及びつつあるといった印象だった。フサモや枯れアシをテナガホッグのテキサスリグでチェックしたがノーバイト。

 先行者がいた場所に戻ってみると、既に先行者の姿は遠くにまで移動していた。叩かれた直後ではあったが、先行者はスピニングタックルで釣りをしていたので私はテキサスリグを奥までネジ込むことを念頭に置き、丹念に探ってみることにした。

 結果は、1バイト得られたもののスッポ抜け。どうにもピンと来るものがない。というのは、まだ枯れガマがシャキッと立ってしまっており倒れ込んでいないためだ。枯れガマが倒れ込み、それが幾多にも折り重なってこそ、その下にバスが着く。この場所はもう少し寒さが厳しくなってから再チェックしてみることにした。


 本当はこの日、2箇所ほど新規開拓を予定していたのだがおそらくはハズレである可能性の方が遥かに高い。そこで、まずは無難に魚を釣ってからにしようと思い千葉県某所に向かう。しかしこの日も既にA級場所は満員御礼。この日も必然的に人の少ないB級場所に回らざるを得なかった。

 ここも前日の雨の影響が色濃く、とある水門からは泥濁りの水が吐き出されていた。それらの濁りは下流へと伸びているのがわかった。水面の浮きゴミ(枯れ草等)も多く、釣りにくさは否めなかった。

 しかし、濁りの薄れるあたりで連続ヒット。何より私の予想を覆されたのが魚のサイズで、この釣り場としては珍しく35cm平均の魚ばかりを立て続けに5本キャッチすることが出来た。おそらくは前日の雨などでたまたまプレッシャーが低かったのだろう。この日も朝方ははっきりしない天気だったために先行者があまりいなかったのに違いない。


2010年発売予定品、スパイニークローラーでも

平均サイズ35cmクラスが連発した

 しかし昼過ぎになると陽射しが出てきてしまい、それまで吹いていた西風も止んできてしまった。さらに、A級場所を探り終えたアングラー達が徐々にB級場所へも流れて来るようになり、いつの間にか土手には車がズラリ。
 午前中のハイペースに気を良くしてしまい、思わずそんな状況下でも釣り続けてしまったのだが良い結果など出るはずもなく、32cmを1本絞り出すのがやっとだった。


 ついつい千葉県某所で時間を掛け過ぎてしまい、この日の新規開拓予定は取り止め。残り2時間は新利根川でのベジテーションマット撃ちに費やすことにした。

 結果、この日も3バイトを得る事が出来たのだがスッポ抜けやワームを離されるといった事が続き、魚を手にすることは出来なかった。しかし、徐々にこの時期のベジテーションマットの釣り方がわかってきたのも事実。魚の着き場や、良いベジテーションマットの条件など、ハイシーズン中との違いを僅かながらも掴みつつある。果たして冬場にどこまで通用するのかはわからないが、この冬の楽しみが1つ増えたことは間違いない。


 結局のところ、この冬も水郷のバス釣りに夢中になってしまうことだけは間違いなさそうだ。私にとっては、冬の到来は待ちに待ったシーズンインなのだ。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラー
STC-60TXL
ABU
SX-3601IVCB
スーパーFCスナイパー 12lb. テナガホッグ・#331、340、349(テキサスリグ)
タングステンバレットシンカー各サイズ、ストレートワームフック#1/0、シンカーロックM
ツアラー
STS-60FW
ABUMATIC 276Ui スーパーFCスナイパー 5lb. イモ30改・#194(ダウンショットリグ)
シンカー各種、キールバランスフック#4
スパイニークローラープロトモデル、カットテール(ワッキーリグ)
タングステンネイルシンカー1/64oz、DECOYショットリグ改#3(ガード仕様)
 偏光グラス  α-sight 50 シューティングレッド



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